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ある日のスクールである生徒が聞く。「クルマがアンダーステアで曲がらないんだけどフロントのキャンバーのつけかたが足りないンすかねぇ?」
冗談でしょ。クルマがアンダーステアなんじゃなくて運転手がアンダーステアなんだってぇの。
クルマが動き出すとタイヤは滑る。タイヤが滑るから路面とこすれて摩擦力が生まれる。それがグリップだ。
クルマが進む時、特にコーナリングの最中にはクルマが進む方向とタイヤの向きとのあいだにずれがある。それをスリップアングルと呼ぶ。それも1本だけではない。4本ともスリップアングルがつく。
アンダーステアとは前輪のスリップアングルが後輪のそれより大きい状態をいう。
賢い君ならもうわかっただろう。上に挙げた質問こそハードに頼って速さを手に入れようとしているヨコシマな人間の考えることだ。